給与前払いお役立ちコラム
給与前払い制度のメリット・デメリット|企業・従業員それぞれの注意点を解説
「給与前払い制度を導入すると、企業にはどのようなメリットがあるのか」「従業員の満足度は高まるのか」「手数料や運用負担などのデメリットはないのか」
給与前払い制度は、採用力の強化や福利厚生の充実につながる一方、導入方法やサービス選びを誤ると、想定していた効果を得られない場合があります。
大切なのは、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、自社に合った制度を設計することです。
この記事では、給与前払い制度のメリット・デメリットを企業側と従業員側に分けて解説します。導入に向いている企業の特徴や、失敗を防ぐためのポイントも紹介します。
結論|給与前払い制度は、適切に運用すれば企業と従業員の双方にメリットがある
給与前払い制度とは、従業員がすでに働いた分の給与の一部を、通常の給料日より前に受け取れる制度です。
企業にとっては、主に次のようなメリットがあります。
- 求人でアピールできる福利厚生が増える
- 従業員満足度や定着率の向上が期待できる
- 給与前払いに関する個別対応を減らせる
- 多様な働き方に対応しやすくなる
一方で、従業員が負担する手数料や、社内ルールの整備、勤怠データの管理などには注意が必要です。
給与前払い制度そのものが良いか悪いかではなく、誰を対象に、どのような条件で、どのサービスを使って運用するかによって、制度の評価は大きく変わります。
給与前払い制度の基本的な仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
給与前払い制度とは?仕組み・前借りとの違いをわかりやすく解説
給与前払い制度のメリット
給与前払い制度には、企業側と従業員側の双方にメリットがあります。
まずは、企業側のメリットから見ていきましょう。
企業側のメリット
1.採用活動で他社との差別化につながる
人材を募集する際、給与額や休日数だけでなく、福利厚生の内容も応募先を選ぶ判断材料になります。
求人票に「給与前払い制度あり」と記載することで、必要なときに働いた分の給与を受け取れる職場であることをアピールできます。
特に、アルバイトやパート、派遣スタッフ、短期スタッフなどを多く採用する企業では、応募者の関心を引く材料の一つになります。
ただし、給与前払い制度を記載するだけで必ず応募数が増えるわけではありません。給与、勤務時間、休日、職場環境などと組み合わせて、総合的に求人の魅力を高めることが重要です。
2.福利厚生を充実させられる
給与前払い制度は、従業員が必要なときに利用できる福利厚生として導入できます。
企業が従業員へ一律に金銭を支給する制度とは異なり、利用を希望する従業員だけが申請する仕組みにできるため、比較的導入しやすいことも特徴です。
導入費用や月額費用がかからないサービスを選べば、企業側の固定費を抑えながら福利厚生を充実させることもできます。
3.従業員満足度の向上につながる
生活の中では、医療費や冠婚葬祭、家電の故障など、予定外の支出が発生することがあります。
そのような場合に、給料日を待たずに働いた分の給与を受け取れる制度があれば、従業員の安心感につながります。
実際に制度を利用しない従業員にとっても、「必要なときに使える制度がある」ということ自体が、会社に対する安心感につながる場合があります。
4.離職防止や定着率の改善が期待できる
従業員が勤務先を選ぶ際は、給与額だけでなく、働きやすさや福利厚生も重視されます。
給与前払い制度は、それだけで離職を防げる制度ではありませんが、従業員を支える福利厚生の一つとして、定着率の改善に寄与する可能性があります。
特に、採用と離職を繰り返しやすい業種では、給与前払い制度を含めた労働環境全体の見直しが有効です。
5.人事・労務担当者の個別対応を減らせる
給与日前に従業員から金銭的な相談を受け、その都度、会社が個別に対応している場合、担当者の負担が大きくなります。
専用サービスを導入すれば、従業員がスマートフォンなどから申請できるため、会社側の個別対応を減らせる可能性があります。
ただし、承認が必要な運用にすると、申請のたびに担当者の作業が発生します。
担当者の負担を軽減したい場合は、申請から振込までの流れや、企業側の承認が必要かどうかも確認しましょう。
6.給与の支払サイクルを変えずに導入できる
日払いや週払いを導入する場合、給与計算や支払サイクルそのものを変更しなければならないことがあります。
一方、給与前払い制度は、通常の給与支払日を維持したまま、希望する従業員に対して働いた分の一部を先に支払う仕組みです。
そのため、月払いの給与体系を大きく変えずに導入できます。
給与前払いと日払い・週払いの違いについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
給与前払い制度とは?仕組み・前借りとの違いをわかりやすく解説
7.多様な雇用形態に対応しやすくなる
サービスによっては、正社員だけでなく、契約社員、アルバイト、パートなども対象にできます。
また、給与だけでなく、業務委託報酬の前払いに対応しているサービスもあります。
従業員と業務委託スタッフの両方が在籍している企業では、対応範囲の広いサービスを選ぶことで、支払環境をまとめて整備しやすくなります。
従業員側のメリット
1.急な支出に対応しやすくなる
給与前払い制度の大きなメリットは、給料日前でも、すでに働いた分の給与を受け取れることです。
例えば、次のような急な支出が発生した場合に利用できます。
- 医療費や薬代
- 冠婚葬祭の費用
- 家賃や公共料金
- 家電やスマートフォンの故障
- 交通費や生活費
借入れではなく、すでに働いた分の範囲で申請する仕組みであれば、将来の給与まで前借りする場合とは性質が異なります。
2.必要なときだけ利用できる
給与前払い制度は、原則として希望する従業員が任意で利用します。
毎月必ず利用する必要はなく、急な出費がある月だけ申請するといった使い方が可能です。
利用しない従業員の給与支払日は通常どおりであるため、制度を必要としない人にも影響を与えにくい点が特徴です。
3.スマートフォンから申請できる
給与前払いサービスの中には、スマートフォンから申請できるものがあります。
会社の担当者へ直接相談したり、紙の申請書を提出したりせずに利用できれば、従業員の心理的な負担も軽減できます。
ただし、申請可能な時間や振込までの時間はサービスによって異なります。
夜間や土日祝日に利用する可能性がある場合は、24時間365日の申請や振込に対応しているか確認することが重要です。
4.金融機関などからの借入れを避けられる場合がある
急な出費が発生した際に給与前払い制度を利用できれば、カードローンなどを利用せずに済む場合があります。
ただし、給与前払いにも手数料が発生することがあるため、無制限に利用するのではなく、必要性と費用を確認して利用することが大切です。
給与前払い制度のデメリット
給与前払い制度には多くのメリットがありますが、導入前に確認すべきデメリットもあります。
デメリットを十分に説明せずに導入すると、企業と従業員の双方に不満が生じる可能性があります。
企業側のデメリット
1.導入や運用に手間がかかる場合がある
給与前払い制度を導入するためには、サービスの契約だけでなく、次のような準備が必要です。
- 対象者の決定
- 利用上限額の設定
- 申請回数や申請単位の設定
- 勤怠データの連携
- 給与計算時の精算
- 社内規程の確認
- 従業員への周知
制度設計が不十分なまま開始すると、問い合わせや修正対応が増える可能性があります。
導入前に社内の運用フローまで整理しておきましょう。
具体的な導入手順は、以下の記事で詳しく解説しています。
給与前払い制度の導入方法|検討から運用開始までの流れと注意点
2.サービスによっては企業側に費用が発生する
給与前払いサービスには、さまざまな料金体系があります。
サービスによっては、次の費用が企業側に発生します。
- 初期導入費用
- 月額利用料
- システム連携費用
- 振込手数料
- 前払い金の立替費用
導入時の費用だけでなく、利用者数や申請回数が増えた場合の費用も確認することが重要です。
3.勤怠データを正確に管理する必要がある
給与前払いの上限額は、従業員がすでに働いた実績をもとに計算します。
勤怠データに誤りがあると、本来より多い金額を前払いしてしまったり、申請できるはずの従業員が利用できなかったりする可能性があります。
勤怠システムとの連携方法や、データを反映する頻度、修正が発生した場合の対応を事前に確認しておきましょう。
4.従業員からの問い合わせが増える可能性がある
導入直後は、次のような問い合わせが発生しやすくなります。
- いくらまで申請できるのか
- いつ振り込まれるのか
- 手数料はいくらかかるのか
- 給料日にはいくら支払われるのか
- 申請を取り消せるのか
制度の利用方法を十分に周知していないと、人事・労務担当者の負担が増える可能性があります。
利用案内やFAQを用意し、問い合わせ先も明確にしておくことが重要です。
5.利用手数料に対する不満が生じることがある
手数料を従業員が負担する仕組みの場合、「自分の給与を受け取るために費用がかかる」と感じる人もいます。
企業側は、導入前に手数料の金額や計算方法を確認し、従業員にもわかりやすく説明する必要があります。
採用面で制度を強くアピールする場合は、手数料を含む利用条件まで正確に伝えることが大切です。
6.サービス選びを誤ると再導入が必要になる
料金だけでサービスを選ぶと、導入後に次のような問題が発生することがあります。
- 利用している勤怠システムと連携できない
- 振込までに時間がかかる
- 業務委託報酬に対応できない
- 企業側の承認作業が多い
- サポート体制が十分ではない
一度導入したサービスを変更する場合、従業員情報の再登録や社内周知のやり直しが必要になります。
現在の運用だけでなく、将来的な従業員数や雇用形態の変化も考えて選びましょう。
従業員側のデメリット
1.利用のたびに手数料がかかる場合がある
給与前払いサービスでは、申請金額に応じた利用料や、1回ごとの振込手数料が発生する場合があります。
少額の申請を何度も繰り返すと、手数料負担が大きくなる可能性があります。
従業員が利用を判断できるよう、申請前に手数料がわかる仕組みが望ましいでしょう。
2.通常の給料日に受け取る金額が少なくなる
給与前払いで受け取った金額は、通常の給料日に支払われる給与から精算されます。
前払いを利用したことを忘れていると、給料日に受け取れる金額が想定より少なくなり、生活費が不足する可能性があります。
前払いは給与が増える制度ではなく、受け取る時期を早める制度です。
この点を従業員へ明確に伝える必要があります。
3.繰り返し利用すると家計管理が難しくなることがある
給与前払いを毎月利用する状態になると、次の給料日までの資金が不足し、再び前払いを利用するという循環に陥る可能性があります。
制度の利用自体を否定する必要はありませんが、従業員が計画的に利用できるよう、利用上限や回数を適切に設定することが重要です。
4.給与の全額を受け取れるとは限らない
給与前払い制度では、すでに働いた分の全額ではなく、一定割合までを利用上限としているケースが一般的です。
社会保険料や税金、欠勤、勤怠修正などを考慮する必要があるためです。
「働いた分はすべて申請できる」と誤解されないよう、上限額の計算方法を事前に案内しておきましょう。
給与前払い制度のメリット・デメリット比較
| 立場 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 企業 | 採用時の訴求材料になる | 導入準備や社内ルールの整備が必要 |
| 企業 | 福利厚生を充実させられる | 料金体系によっては企業負担が発生する |
| 企業 | 従業員満足度や定着率の向上が期待できる | 勤怠データを正確に管理する必要がある |
| 企業 | 個別の前払い対応を減らせる | 導入直後は問い合わせが増える場合がある |
| 従業員 | 急な出費に対応しやすい | 手数料が発生する場合がある |
| 従業員 | 必要なときだけ申請できる | 給料日に受け取る金額が少なくなる |
| 従業員 | スマートフォンから申請できる | 繰り返し利用すると家計管理が難しくなる |
| 従業員 | 借入れを避けられる場合がある | 申請可能額には上限がある |
画像挿入案「企業側・従業員側のメリットと注意点」を左右に分けた図解を配置します。単純にメリットとデメリットを赤・青で分けるのではなく、「導入効果」と「事前に決めること」の2軸にすると、過度に否定的な印象を避けられます。

給与前払い制度の導入が向いている企業
給与前払い制度は、特に次のような企業と相性が良いと考えられます。
採用競争が激しい企業
同じ業種・同じ地域で多くの企業が求人を出している場合、福利厚生の違いが応募先を選ぶきっかけになることがあります。
飲食、物流、介護、警備、コールセンター、製造など、継続的に人材を募集する企業では検討する価値があります。
アルバイトやパートが多い企業
アルバイトやパートが多い企業では、給与前払い制度が求人上の訴求ポイントになりやすい傾向があります。
従業員の入れ替わりが多い場合は、新規登録や退職者の削除を簡単に行えるサービスを選ぶことも重要です。
従業員から給与前払いの相談を受けることがある企業
従業員から個別に前払いの相談を受けている企業では、専用サービスを導入することで対応を標準化できます。
担当者の判断によって対応が変わる状態を避け、全従業員に共通するルールを設けやすくなります。
業務委託スタッフを多く活用している企業
配送、建設、美容、営業代行、フリーランスなど、業務委託スタッフを多く活用している企業では、報酬の支払時期が人材確保に影響する場合があります。
給与前払いだけでなく、業務委託報酬の前払いにも対応したサービスを選べば、複数の働き方をまとめて管理できます。
福利厚生を充実させたいが固定費は抑えたい企業
導入費用や月額費用がかからないサービスであれば、固定費を抑えながら福利厚生を増やせます。
ただし、利用者側の手数料や、企業側の前払い資金の負担方法まで含めて確認しましょう。
導入で失敗しないための5つのポイント
1.導入目的を明確にする
採用力を高めたいのか、従業員満足度を高めたいのか、担当者の負担を減らしたいのかによって、重視すべきサービス機能が変わります。
最初に目的を決めることで、不要な機能や費用を避けやすくなります。
2.利用者と企業の費用を分けて確認する
「導入費用0円」と記載されていても、従業員側に利用料が発生する場合があります。
次の費用を分けて確認しましょう。
- 企業の初期費用
- 企業の月額費用
- 従業員の利用料
- 振込手数料
- システム連携費用
- 前払い資金の負担
3.申請から振込までの流れを確認する
申請のたびに企業の承認が必要なのか、自動で振り込まれるのかによって、担当者の業務負担は大きく変わります。
また、「24時間申請可能」であっても、実際の振込は翌営業日という場合があります。
申請可能時間だけでなく、着金までの時間も確認することが重要です。
4.従業員に利用条件を明確に伝える
特に次の内容は、導入時に必ず周知しましょう。
- 申請できる金額
- 利用回数
- 手数料
- 振込時期
- 給料日の精算方法
- 問い合わせ先
従業員が制度を正しく理解することで、問い合わせや認識違いを減らせます。
5.導入後に利用状況を見直す
制度開始後は、利用者数や申請回数、問い合わせ内容などを確認します。
利用者が少ない場合は、制度が認知されていない可能性があります。一方、利用が集中している場合は、上限額や周知内容を見直す必要があるかもしれません。
導入から1〜3か月程度を目安に、最初の振り返りを行うとよいでしょう。
よくある質問
給与前払い制度を導入すると、本当に応募者は増えますか?
給与前払い制度だけで応募者が必ず増えるとは限りません。
ただし、求人票に掲載できる福利厚生が増えるため、他社との差別化や応募を後押しする材料になる可能性があります。
給与や勤務条件、休日、仕事内容などと合わせて訴求することが重要です。
給与前払い制度を利用すると、従業員の給与は増えますか?
増えません。
給与前払い制度は、給与の受取時期を早める制度です。前払いした金額は、通常の給料日に支払う金額から精算されます。
従業員全員を対象にする必要がありますか?
必ずしも全員を対象にする必要はありません。
正社員、アルバイト、パートなど、企業の雇用形態や制度の目的に合わせて対象者を設定できます。
ただし、対象者を限定する場合は、合理的な基準を設け、社内で明確に説明できるようにしておきましょう。
給与前払い制度に手数料はかかりますか?
サービスによって異なります。
企業が負担するもの、従業員が負担するもの、双方が負担するものがあります。導入前に、誰が、いつ、いくら負担するのかを確認しましょう。
給与前払い制度は違法ではありませんか?
給与前払い制度自体が一律に違法となるわけではありません。
ただし、資金の流れや手数料、給与からの精算方法など、制度設計によって確認すべき点があります。
法律面については、次の記事で詳しく解説します。
まとめ
給与前払い制度は、企業にとっては採用力の強化や福利厚生の充実、従業員満足度の向上につながる可能性があります。
従業員にとっても、急な支出が発生した際に、すでに働いた分の給与を給料日前に受け取れるというメリットがあります。
一方で、手数料や勤怠管理、社内ルールの整備、従業員への周知などには注意が必要です。
導入を成功させるためには、メリットだけを見て判断するのではなく、
- 導入目的
- 利用対象者
- 企業と従業員の費用負担
- 申請から振込までの流れ
- 勤怠システムとの連携
- 導入後のサポート体制
まで確認したうえで、自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。
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導入費用・月額費用0円で始められる給与前払いサービス「PAYMO」
従業員の給与だけでなく、業務委託報酬の前払いにも対応。企業の規模や運用方法に合わせたプランをご提案します。
- 導入費用0円・月額費用0円
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- スマートフォンから簡単に申請
- 給与・業務委託報酬の前払いに対応
- 企業の立替負担なしで導入できるプランも用意